あまり日本では翻訳に恵まれていない、ヴィルヘルム・ラーベ(ドイツ、1831ー1910)によるキャリア中期の短編。老いた医師がライラックの花冠を手に、若き日の追憶に浸る、シンプルながら味わいある一品です。

「ライラックの花」W・ラーベ/谷口 泰訳