反出生主義の代表格、シオランのアフォリズム集。タイトルからそのまんまなわけですが、一冊通して生きることの災いが場所と情況を変えて書き連ねられていて、店主みたいな人間が読むと何も考えず生きていてすいませんと思わず謝りたくなってしまいます。

一文ごとに生に対し強烈な皮肉と絶望が込められているのですが、読むとなんだかホッとして、ちょっと元気が出てくる不思議。

「生誕の災厄」E.M.シオラン/出口裕弘訳