「王様のためのホログラム」デイブ・エガーズ/吉田恭子訳

帯

帯にトム・ハンクス主演で映画化、”人生は、なんとかなる!”とあるので、ちょっと元気になる系の小説かと思って読んだところ全然違った一冊です。

サウジアラビアの中産階級(よりもう少し上でしょうか)の人たちの生活感の描写には、ステレオタイプなアラブ人描写でない、現代のサウジ人のものの見方が垣間見えて新鮮な発見でした。

アメリカ製造業に従事していた主人公の中年サラリーマンの悲哀と、自信を失った超大国アメリカの世界との関わりようがダブって見えます。どっちもイケてない。

映画を見たらまた印象変わるかもしれません。が、トム・ハンクスだからなあ。視ないな、多分。