マルコ・ポーロの東方見聞録を下敷きに、マルコ・ポーロが実際に仕えていた時期のあるフビライ汗に語る形で繰り広げられる数々の幻の街のお話。人間が織りなすドラマを小説に求める向きにはとても退屈な1冊かもしれませんが、架空の都市の描写がとても美しいので、面白そうなところだけ拾い読みでも一読する価値はあると思いますよ。

「見えない都市」イタロ・カルヴィーノ/米川良夫訳