調べ物をしていた繋がりでジッドの「田園交響楽」が出てきて、在庫リストに文庫が登録されていたので読んでみるかと探したところ、見つからない。
モヤモヤしたまま、代わりに見つかった狭き門を学生時代以来ぶりに再読しました。
タイトルもそうですが、宗教色の強い純愛ものだった気が・・・と思って読みだしたのですが、改めて読むとちょっと違う印象に。
登場人物はそれぞれ信仰にかこつけて自分の思いを独白していますが、これを神様のせいにされたら神様はいい迷惑な気がします。
若い二人の、臆病で時に独りよがりな片思いのすれ違いとして読みました。いまの人には異世界悲愛ものとして読めるのでは(転生はしませんが)、と思ったり。
理想の純愛はこのような形になるのだと当時のジッドが考えていたのだとしたら、ずいぶんと悲観的だったのだなと感じます。