「幻の薔薇」エルザ・トリオレ/戸田聡子・塩谷百合子・鍋倉伸子訳

第二次世界大戦後、経済復興が始まったフランス・パリ。都会の華やかな生活にあこがれた娘は、自らの欲望に翻弄され破滅の道をたどります。1959年発表の本作ですが、欲望をコントロールできずに破滅するのは今も昔も変わりません。2009年に映画化もされています。

著者のエルザ・トリオレはロシア出身のフランス人。シュルレアリストで詩人のルイ・アラゴンの妻で、女性初のゴングール賞受賞作家であり、また作家活動の傍ら、ロシア文学をフランスに積極的に紹介もしていた模様。才女です。