文は人なり、の由来はフランス語だそうで。英語だとThe Style is the man. 原義はもう少し文章の格とか文体に重きを置いた表現ですが、通常は文章は書いた人の性格・考えを意図せずとも反映する、という意味で用います。

自分の意図を伝える手紙類、ましてや異国の地で自作の出版に絡む諸々に時にクレームをつけ、要求を通し、謝辞を述べる書簡類には、否応なくその人の性格がにじみ出ます。息子のドミトリによってセレクトされているので、ありのままではないかもしれませんが、強いこだわりと自負が感じられる文章は十分に面白い。(知り合いに居ると面倒くさそうですが・・・)

「ナボコフ書簡集1・2」

ドミトリ・ナボコフ/M・J・ブルッコリ編、三宅昭良・江田孝臣訳