ドイツのファストフードのひとつにカリーヴルストなるものがあります。名前の通りカレー味のソーセージで、焼き立てのソーセージにケチャップとカレー粉を掛けて、フライドポテトを添えて渡される、日本だと焼き鳥・焼きそば・たこ焼きのような屋台料理的一品です。昔々ドイツにしばらく滞在した時に、これとケバブにはずいぶんお世話になりました。

戦後に人気になった簡単な料理で、誰が元祖ということでもないのでしょうが、有力説は西ベルリンのソーセージ屋台が発祥とのこと(by Wikipedia)ですが、本書はハンブルグのある女性が発見したものと推理した「僕」が、老人ホームに住まう老女性を訪ねるところからはじまります。

ちなみに、カリーヴルスト、特別美味しいかというと、そういうわけでもないです。焼きたてのソーセージにケチャップとカレー粉を掛けたそのまんまの味がします。但しドイツのソーセージは種類豊富なうえ大きくて味も濃いので、だいたい日本で食べるより美味ですね。ビールによく合います。

「カレーソーセージをめぐるレーナの物語」

ウーヴェ・ティム/浅井晶子訳